親知らずが斜めに生える理由は?放置するリスクや抜歯の流れも

2026年07月24日(金)

こんにちは。大津市一里山にある歯医者「かながわ歯科医院」です。

斜めに生えた親知らずの様子

親知らずは、永久歯の中で最も遅い時期に生えてくる歯です。そのため、親知らずが生える十分なスペースがないことも多く、まっすぐではなく斜めに生えるケースも珍しくありません。歯科検診やレントゲン検査をきっかけに、親知らずの生え方を初めて知る方も多いでしょう。

親知らずが斜めに生えているからといって、すぐに抜歯が必要になるわけではありません。生え方や周囲の状態によって対応は異なるため、まずは親知らずについて正しく理解することが大切です。

本記事では、親知らずの基本的な知識から、斜めに生える原因、抜歯が必要となるケース、抜歯の流れ、抜歯後の過ごし方まで詳しく解説します。

親知らずとは

レントゲンを使用して親知らずの説明をする歯科医師

親知らずとは、前から数えて8番目に生えてくる永久歯で、第三大臼歯とも呼ばれます。

多くは10代後半から20代頃に生えてきますが、生える時期には個人差があります。さらに、生える本数にも違いがあり、上下左右4本すべて生える方もいれば、生まれつき本数が少ない方や、顎の骨の中に埋まったまま生えてこない方もいます。

正常な位置まで生え、上下の歯がしっかり噛み合っている親知らずは、ほかの奥歯と同じように食べ物を噛む役割を担います。

一方で、歯ぐきや顎の骨の中に埋まっている場合や、十分に生えきっていない場合は、その役割を十分に果たせないことがあります。

親知らずの状態は一人ひとり異なります。そのため、歯科医院ではレントゲン検査などで親知らずの位置や生え方、周囲の歯との関係を確認し、今後の対応を判断します。

親知らずが斜めに生える原因

親知らずが斜めに生える原因を考えるイメージ

親知らずが斜めに生える主な理由は、歯が並ぶためのスペースが不足しやすいことです。

親知らずは永久歯の中で最後に生えてくるため、その頃にはほかの永久歯がすべて並んでいることがほとんどです。そのため、顎の一番奥に十分な空間が残っていない場合は、まっすぐ生えることが難しくなり、斜めや横向きに生えることがあります。

また、顎の大きさには個人差があり、親知らずが生えるためのスペースにも違いがあります。

十分なスペースが確保されていればまっすぐ生えることもありますが、スペースが限られている場合は、歯が隣の歯に向かって傾いたり、一部だけ歯ぐきから出たり、顎の骨の中に埋まったままになったりするケースもみられます。

このように、親知らずが斜めに生える背景には、生える順番や顎の広さなど複数の要因が関係しているのです。

親知らずが斜めに生えているとどのようなリスクがある?

斜めに生えた親知らずを放置して痛みが出た女性

親知らずが斜めに生えていると、お口の中を清潔に保ちにくくなり、さまざまなトラブルにつながることがあります。ここでは、代表的なリスクについて解説します。

親知らずの周囲が腫れる・痛む

斜めに生えた親知らずは、歯の一部だけが歯ぐきから出ているケースが少なくありません。この部分は歯ブラシが届きにくく、食べかすや歯垢が残りやすいため、細菌が繁殖しやすい環境になります。

細菌の影響で親知らずの周囲の歯ぐきに炎症が生じると、腫れや痛みが現れます。症状が進行すると、口が開けにくくなったり、食事や会話の際に痛みを感じたりすることもあります。

炎症を繰り返すと日常生活に支障をきたす場合もあるため、症状がみられた際は早めに歯科医院を受診しましょう。

虫歯になるリスクが高まる

親知らずが斜めに生えていると手前の歯との間に歯垢が残りやすくなります。この部分は歯ブラシが届きにくいため、汚れを十分に取り除けないことも少なくありません。

歯垢が長く残ると、親知らずだけでなく、手前の第二大臼歯まで虫歯になることがあります。第二大臼歯は食事の際に大きな役割を担う歯であるため、虫歯が進行すると歯への負担も大きくなります。

手前の歯にも悪影響を及ぼすことがある

斜めに生えた親知らずは、手前の第二大臼歯に接した状態になることがあります。傾きが強い場合は第二大臼歯を圧迫し、歯や歯ぐきに負担がかかることがあるのです。

また、親知らずが第二大臼歯の根に接している場合には、歯の根の一部が吸収される歯根吸収が起こることがあります。歯根吸収は初期には自覚症状が現れにくく、気付かないまま進行するケースもあります。

親知らずだけでなく、その手前の健康な歯にも影響が及ぶことがあるため、生え方によっては注意が必要です。

親知らずが斜めに生えている場合は抜歯が必要?

抜歯した親知らず

親知らずが斜めに生えていても、すべてのケースで抜歯が必要になるわけではありません。痛みや腫れの有無だけでなく、生え方や周囲の歯への影響などを踏まえて判断します。

抜歯が必要なケース

親知らずの周囲で腫れや痛みを繰り返している場合は、抜歯を検討することがあります。また、親知らずや手前の第二大臼歯が虫歯になっている場合も、抜歯が選択されるケースの一つです。

さらに、親知らずが第二大臼歯に影響を及ぼし、歯根吸収が認められる場合も抜歯の対象となります。歯根吸収とは、歯の根が少しずつ失われる状態です。進行すると第二大臼歯を残すことが難しくなる場合もあるため、早めの対応が必要になります。

抜歯が必要かどうかは、親知らずだけでなく、周囲の歯や歯ぐきの状態も含めて判断します。

抜歯が必要ないケース

斜めに生えている親知らずでも、必ず抜歯が必要になるわけではありません。痛みや腫れなどの症状がなく、周囲の歯や歯ぐきにも問題が認められない場合は、抜歯を行わず経過をみることがあります。

また、親知らずが顎の骨の中に完全に埋まっており、周囲の組織に影響がみられないケースでも、定期的に状態を確認しながら経過観察を行うことがあります。

ただし、現在は症状がなくても、加齢や口の中の環境の変化によって状態が変わることもあります。そのため、親知らずがある方は、歯科検診の際にあわせて状態を確認してもらうとよいでしょう。

斜めに生えた親知らずを抜歯する流れ

親知らずの抜歯のために麻酔をする様子

親知らずの抜歯は、生え方や位置によって処置の内容が異なりますが、基本的な流れは共通しています。ここでは、一般的な抜歯の流れをご紹介します。

事前の診察と検査

抜歯の前には、レントゲン撮影を行い、親知らずの位置や歯の根の形を確認します。下顎の親知らずでは、神経との位置関係も重要な確認項目です。レントゲンだけでは判断が難しい場合は、歯科用CT検査を行うこともあります。検査結果をもとに、抜歯の方法を検討します。

麻酔

親知らずの抜歯は、局所麻酔を行ってから始めます。麻酔が十分に効いていることを確認したうえで処置を進めるため、抜歯中に強い痛みを感じることはほとんどありません。

ただし、歯を押される感覚を覚えたり振動を感じたりすることがあります。痛みを感じた場合は我慢せず歯科医師に伝えましょう。

親知らずの抜歯

麻酔が十分に効いていることを確認したら、親知らずを抜歯します。斜めに生えている親知らずは、そのままでは抜けないことも多く、歯ぐきを開いたり、親知らずをいくつかに分けたりしながら取り除きます。

縫合と止血

親知らずを抜歯したあとは、必要に応じて傷口を縫合します。その後、ガーゼをしっかり噛んで圧迫し、出血が落ち着くことを確認して処置は終了です。

親知らずの抜歯後に注意すること

親知らずの抜歯後の注意点を伝える手

ここでは、親知らずを抜歯したあとに気を付けたいポイントについて解説します。

当日は強いうがいを控える

抜歯後の傷口には血液が固まってできる血餅(けっぺい)ができ、傷の治りを助けます。

しかし、強いうがいを繰り返すと血餅がはがれ、出血が続いたり、治りが遅くなったりする原因になります。口の中が気になる場合でも、抜歯当日は軽く口をすすぐ程度にとどめましょう。

処方された薬は指示どおりに服用する

抜歯後は、痛み止めや抗生物質が処方されることがあります。痛み止めは痛みが強くなる前に服用すると、症状を抑えやすくなります。抗生物質が処方された場合は、自分の判断で服用を中止せず、歯科医師の指示に従って飲み切ることが大切です。

激しい運動・飲酒・喫煙を控える

抜歯当日は、激しい運動や飲酒は控えましょう。血行が良くなるため、出血や腫れが強くなることがあります。また、喫煙は傷口への血流を悪くし、治りを遅らせる原因になります。傷口を順調に回復させるためにも、抜歯後はできるだけ喫煙を控えましょう。

刺激の少ない食事を選ぶ

抜歯後は傷口への刺激を避けるため、やわらかく食べやすいものを選びましょう。おかゆやうどん、スープ、ヨーグルトなどは食べやすい食品です。

一方で、熱い料理や香辛料を多く使ったもの、硬い食べ物は傷口への刺激になることがあります。食事はできるだけ抜歯した側を避け、反対側で噛むようにすると傷口への負担を抑えられます。

出血や強い痛みが続く場合は歯科医院へ連絡する

抜歯後は、唾液に血が混じる程度の出血や、麻酔が切れたあとの痛みがみられることがあります。こうした症状は、多くの場合、時間の経過とともに落ち着きます。

一方で、ガーゼで圧迫しても出血が止まりにくい場合や、痛み止めを服用しても強い痛みが続く場合は、歯科医院へ連絡しましょう。また、腫れが日に日に強くなる場合や、発熱、膿が出るなどの症状がある場合も、早めの受診が必要です。

まとめ

親知らずの治療で歯科医院を受診した女性

親知らずが斜めに生える原因の多くは、顎の一番奥に十分なスペースがないことです。斜めに生えた親知らずは、歯ぐきの炎症や虫歯、手前の歯への影響などを引き起こすことがあり、生え方や口の中の状態によっては抜歯を検討します。

一方で、症状がなく周囲の歯や歯ぐきに問題がなければ、定期的に経過を確認しながら管理できるケースもあります。親知らずを抜くべきかお悩みの方は、一度歯科医院で相談してはいかがでしょうか。

親知らずを抜くべきかお悩みの方は、大津市一里山にある歯医者「かながわ歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は、できるだけ「削らず、抜かず、無痛」の治療を意識し、健康な歯を残すことを追求しております。一般歯科だけでなく、インプラント治療や矯正治療、お子さまの診療にも力を入れています。

当院の診療案内ページはこちらWeb予約も24時間受け付けておりますので、ぜひご覧ください。

■この記事の監修者

神奈川 勝

経歴
  • 昭和63年 東北歯科大(現奥羽大)卒業、滋賀医大歯科口腔外科入局後、京都市某開業医勤務
  • 平成3年 かながわ歯科医院を滋賀県大津にて開院
所属機関
  • 歯科医師会
  • 大津市介護審査認定会
  • CHP研究会
  • SHP研究会
  • K-デンチャー研修会
  • 予防歯科ネットワーク
  • 国際歯周内科学会

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かながわ歯科医院

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